山田印の“パーマ”
#004

ヘア&メイクアップアーティスト・山田大輔のメイク企画。これまでの経験で培ったテクニックと、時代のムードを捉えた新鮮なメイクをご紹介!

 


 

01
〈アップスタイル〉

『新しさを求めるなら、懐かしさに頼る』

何か新しいことにトライするなら、“過去をブラッシュアップ” することに重点を置こう。かつてのスタイルをいまの感覚で再解釈すれば、きっと新鮮なムードを手に入れられるはず。「リーゼント=過ぎ去ったもの」は、もう古い考えかも。

 


 

02
〈ダウンスタイル〉

『ボリュームって強調するほどいい』

前髪だけをピンで留めて、あとはひたすら脚色する。どうせやるなら勇気を出して、これでもかってくらいやりきった方が案外よかったりもする。もっともっとボリュームを。もっともっと自分を出していこう。その方がきっと楽しい。

 


 

クロストーク
山田大輔 × 編集N

 

編集N: 唐突ですけど山田さん。なぜ今回、パーマをテーマにしたんですか?

山田: ははは。強いウェーブのパーマって今流行ってはいないよね?(笑) それはわかってるんだけど、ヘアレンジっていうか、ピンを使ったりまとめ髪を作るときに、ウェーブのある髪って結構面白いなって普段から思ってる。ストレートの髪より様になりやすいって言うのもあるけど。

編集N: ほう、なるほどですね。ヘアメイクさんならではの視点。

山田:僕が美容師を始めた頃の話になるんだけど、その頃ってPUFFYが全盛期で。

編集N:すごい時代を感じるなぁ。

山田:そうそう。

編集N: 当時流行っていた雑誌ってどんなものだったんですか?

山田:〈キューティー〉とか〈ジッパー〉かなぁ。今考えるとキャッチーな髪型が多かったと思うよ。最近はめっきりそうゆうスタイルは見なくなった。だから今回提案したの2つのヘアも、ちょっと懐かしさもありつつ、けれど今にもちゃんとフィットする形を探してみたんだけどね。単純に今の若い子たちが見てどう思うんだろう?っていうのにも興味があったし。

編集N: 可愛いと思うけどな。僕は若くないけど(笑)。

山田:ニッシーとかどう思うの?(※山田さんのアシスタントを務める西さん。ちなみに若い。)

西: やりたーい。めっちゃやりたいし可愛いですー。

編集N: まぁキャラクター性は確実にありますよね。どこに行っても『あのパーマの子でしょ?』って感じで。

山田: そうだよね。でもちょっと一歩間違ったら… っていう危険性も正直ある(笑)。

編集N:ははは。勇気は必要かも。でも、以前お見かけしたコレクション(トリコ コム デ ギャルソン2018ssコレクション)のヘアメイクを山田さんが担当してらした時も、モデルさんがみんなパーマというかボリュームのあるヘアでしたよね?

山田: あ、そうそう。もちろんブランドさんと話し合って決めたことでもあるんだけどね。

編集N: とても素敵だったのが印象に残ってますよ。

山田: インパクトのあるヘアスタイルはとにかくキャッチーだよね。ベリーショートにも近いことが言えると思うんだけど、ヘアスタイルで個性を出すというか、女性像を演出するというか。一目でわかるアイデンティティみたいなものにパワーを感じるのかな。でね、面白い話があって。僕が通っていた美容学校にいた女の子の話なんだけど、とっても細くてお洒落な子がいて、《ヒステリックグラマー》のTシャツとかを着るような子。

編集N:カッコイイなー。

山田: でね、ある日突然、頭グリグリのパーマヘアで学校にきて。その後の一週間で、クラスの女の子10人くらいがその子と同じ髪型になったことがあったんだよ(笑)。

編集N:へぇ!すごい影響力ですね!

山田: そうそう! でもきっと衝撃的だったんだと思うんだよね。

編集N: わかりますよその感じ。『あぁ、やられた!』みたいな(笑)。

山田: 相当なパンチ力だと思ったんだ。すごく似合ってたし。だからパーマとかって、ピタッとハマればすごい影響力のあるヘアスタイルだと思う。つい真似したくなっちゃうようなさ。でもまぁ “自分に似合うかどうか” がわからないと思うから、一度細いコテとかで巻いてみるのも一つの手かもしれないよね。

編集N: 美容師さんに巻いてもらうとか?

山田:それで『あ、私いけるな!』って思ったら、ぜひチャレンジしてもらいたいなぁ。ベリーショートにする予定の子がもしいたとするなら、その前に一回これくらい強いパーマに挑戦するのも良いと思うよ。今回のパーマ、クルーエル読んでる子に響いてくれると嬉しいんだけどな。こういう髪型の女性がヴィンテージショップの店員さんにいたとしたら、相当お洒落じゃない? なんかそんなイメージ。

編集N: 確かに、ショップに対しての信用度も上がるかも。というか僕、アフロにしたいって思ったことありますよ(笑)。

山田:え、そうなの?!(爆笑)

編集N: いや、ほんとなんです(笑)。本音を言えばアフロじゃなくてもよかったんですけど。さっきも話に出てたベリーショートとか、すごくハイトーンの髪色とか、周りの人がやらないようなちょっと個性的な髪型にすると、服がシンプルでもなんとなく様になることありません?

山田: あー、なるほどね! すでに髪型でファッションっぽさを出してるもんね。

編集N:そうなんですよ。白いTシャツにデニムとかでも、お洒落感が自然と出ると思うんですよ。

山田: なんか僕の性格上、真逆のことやりたくなっちゃくんだよね(笑)。

編集N:と言うと?

山田: 金髪が流行れば黒髪にしたくなるし、ソフトなパーマが流行ればハードなパーマもいいんじゃない?って思うし(笑)。

編集N: ははは。でもそれってもしかすると誰もが持ってる欲求かもしれないですよね。最後は、一歩踏み出すかどうか。

山田:うん、勇気だね。

 

 

山田大輔

ヘア&メイクアップアーティスト。本誌をはじめとした数多くの雑誌でファッションやビューティーページを担当。さらにアーティストやタレント、広告やコレクションなど、様々なフィールドでその存在感を発揮。2014年の独立とともに「Cake」(ケイク/Cake management)を開設し、更に活躍の場を広げている。

HP:http://cake-management.com

 


 

CLUÉL vol.38掲載

  • photograph:Otsuka Kazuhiko
  • styling:nakamuu
  • model:空美