THE NEW STANDARD

新たなスタンダードを探る vol.08

定番品をスタンダードとするのならば、老舗の歴史ある普遍的なもの、誰でもが定番と思えるものに限る。そう捉えるのが通常の思考の流れだと言える。でも少し視点を変えるだけで、新たな価値のあるものに気が付くことになる。ファッションは刹那的だと思いがちだが、今もなおスタンダードが生まれているに違いない。

 


 

《ジョン スターナー》のこだわりニット

 《ANDERSEN-ANDERSEN 》や《Guernsey Woollens 》をはじめとした、質実剛健なモノづくりで、性別や世代をこえて普遍的に愛されるニットブランドの数々。トレンドに流されず、ストイックに「ずっと変わらないデザイン」を守り続ける姿勢は、現代において貴重なブランドとも言える。今回紹介する《JOHN STERNER》のニットウェアはまさにその並びに新しい世代として加えたくなるようなブランドだ。

 

    ニット¥84000、ニットキャップ¥11000(※ともに参考価格)

 

 2010年にスタートしたスウェーデン発のレインコートブランド《Stutterheim》のデザイナー、アレキサンダー・ストゥッテルハイム。そんな彼が大量消費の世の中にあって、なお洗練された生活を求める人たちに向けたアイテムを提供するためにスタートしたのがブランドの始まり。デザイナー自身が所有するスウェーデンの農場で大切に育てられた羊から制作されたニット。そこからハンドメイドの工程を経て、味わい深く、そしてエレガントなニットウェアが生み出される。それぞれのアイテムには羊と同じ番号のイヤータグが付き、人の手が携わったアイテムには生産者のイニシャルが記入されるという。少量生産ながらも、ひとつひとつに思いや手間がかけられたモノばかりだ。

    ミドルゲージタイプのタートルネック。こちらはメリノウールの滑らかな肌触りが特徴。発色の良いイエローは、これからの季節のコートスタイルのインナーにもぴったり。首元だけちらりと見せるのもグッド。¥32000(参考価格)

 

 ブランドの哲学は「KNITOLOGY」。「knitting poetry(編み物の持つ詩的な美しさ)」と、「knitting philosophy(編み物の紡ぐ哲学)」を掛け合わせた意味合いを持つ。ハイファッションでありながらも、コンテンポラリーでエコな側面も持ち合わせる稀有なブランドとも言える。今後の展開としては、ニットに付けられた黄色いイヤータグのナンバーの羊たちの毛剃りシーンや編まれる工程などをフォローできるアプリを開発中とのことで、さらなる期待が高まる。単なる「ニットブランド」ではなく、ハイファッションかつラグジュアリーなクリエイションで、ある意味実直にハンドメイドのニットを生みだすところに新しい息吹を感じるブランドでもある。
 荒々しいニット素材は着るほどに体に馴染み、年月を重ねるほど愛着が湧いてくる。一枚で着るのはもちろん、コートの下に着込んだり、シャツをインしてレイヤードするのもあり。これからの季節に欠かせないセーターは一生愛せるモノを選びたい。

 

OTHER
KNIT
LINE-UP

    もちろん小物類も豊富に揃っている。ナチュラルな質感が魅力のソックスに、ブランドタグがアクセントになったニットキャップ。シンプルだけど味わい深い。ニットキャップ各¥11000、ソックス各¥5200(ともに参考価格)

 

    こちらはミドルゲージタイプのカーディガン。程良い厚みと、無駄のないシンプルなデザインが使いやすい。襟裏のイエローのラインなど見えないところへのこだわりも◎。T シャツをインして着こなしたい。¥32000(参考価格)

 

    ロウゲージのニットカットソーはその荒々しい素材感を楽しみたい一着。48 時間かけて作られる手編みのめ、一点一点に独特の風合いを持つ。裾につけられた羊のイヤータグが新鮮だ。このブランドの象徴的な一着。¥104000(参考価格)

お問い合わせ先:ディプトリクス(ショールーム) 03-3409-0089

 


CLUÉL vol.30掲載
※制作時の情報につき、現在は変更になっている可能性がございます。

  • photograph:Kojima Yohei
  • model:Julia