RECOMMEND BOOKS by POST

東京・恵比寿にあるアートブックの専門店《ポスト》の選書による、2017年9月のおすすめブックガイド。

 


 

今月のテーマ
「Mac Guffin」

年2回発行される「Mac Guffin(マック・ガフィン)」は、毎号ひとつのオブジェクトに基づいて考察を深めていくデザイン&クラフトマガジン。日常にありふれた取るに足りないものたちをテーマに掲げた誌面では、各界の有識者によるテキストを通じて見識を深めたり、第一線で活躍する表現者の作品を引用して視覚的な観点から興味を引き出したりと、多様性のあるアプローチが展開されています。その背景に目を向けることで知られざる側面が浮き彫りになり、好奇心を掻き立てることでしょう。今回は既刊号ごとの特色に着目してご紹介します。

 

01.『Nº 2 The Window

  • ¥2300

第2号のテーマは「窓」。6名のクリエイターのスタジオの窓越しにみえるありふれた情景。幼少期から窓割り行為に勤しみ、50年の間に6,000個の窓を収集した男の話。爆弾やハリケーンの脅威から身を守るために施されたはずのマスキングが嵩じてアーティスティックなテープアートへと昇華した実例集。アフリカ・中東・グリーンランドにある絶滅危惧種のような窓のコレクションが並ぶ。
 


 

02.『Nº 3 The Rope

  • ¥2300

第3号のテーマは「ロープ」。クジラ狩りをするエスキモーやK2登山のヒーローによるロープのすばらしい実用例。世界で一番美しい亜麻糸を作ると謳われるベルギーの製麻者の生産過程を追った記録。1年かけてロープを結び続けたアーティスト。貪欲で風変わりな蒐集家が誇らしげにみせた綾取りのバリエーション。風呂敷を用いた包み方や縄で食材を束ねるなど、日本ならではの風習が紹介されている。


 

03.『Nº 4 The Sink

  • ¥2300

第4号のテーマは「シンク」。熱帯雨林を流れるスリナム川上流にある村で目の当たりにした独自の生活様式。キッチンシンクが密かに見守ってきたドラマの数々。女性の社会進出に伴って発展した簡易台所の歴史や類型学。シンクとともにある暮らしを切り取ったポートレイト。1970年代までのシチュエーションコメディにうつるアフリカ系アメリカ人のキッチン。時代や文化を超えて考察していく。

 

shop data

POST
add:東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F
open:12:00-20:00(月休)
tel:03-3713-8670

    東京・恵比寿にあるアートブックの専門店。出版社という括りで本を特集し、定期的に扱っている本が全て入れ 代わるスペースを軸とし、普段書店では見えにくい「出版社」の世界観も感じながら本に触れることができる。このほかにも、造本やデザインの面も優れた、良質な海外のアートブックが並んでいる。店内奥のスペースでは、POST企画による展覧会やブックローンチイベントを定期的に開催。

【紹介者】
錦 多希子
2012年よりPOSTに勤務。店頭対応の傍ら、POSTのウェブサイト内New Arrivalsページで新着本の紹介を更新する。
http://post-books.info/


CLUÉL homme vol.20掲載