FEATURE PEOPLE :
原田知世

気になるあの人に会いに行く

 

「自分のペースで、自分からやりたいことを発信できる歌は、お芝居よりも自分の素に近い表現といえるかもしれません」
― 原田知世(女優・歌手)

 

    トップス¥59000 /YAECA(ヤエカ ホーム ストア ☎︎03-6277-1371)、その他すべてスタイリスト私物
原田知世

長崎市出身、11月28日生まれ、血液型はA型。女優であり、歌手である。

official site:http://haradatomoyo.com/

 

自然体でいることの素敵さを
教えてくれる
伸びやかで魅力的な歌声

女優として活動しながら、魅力的な歌声を届けてきてくれた原田知世。『恋愛小説』『恋愛小説2~若葉のころ』と続いたカヴァー・アルバムでは、その透明感のある歌声にメロウな深みが加わってきた。そんななか、新作『音楽と私』は初めてのセルフ・カヴァー・アルバムだ。カヴァー・アルバムが続くが、それぞれの作品に対する向き合い方は違うと彼女は言う。
 「『恋愛小説』は洋楽カヴァーなのですが、歌詞が英語なので、日本語では出せないニュアンスとか、これまで歌ったことがない歌い方を試すことができたんです。『恋愛小説2~若葉のころ』は邦楽カヴァーで自分が思い入れのある曲を歌いました。だから、楽しみながら歌うことができたし、オリジナル曲を参考にして、自分の曲を歌う時とは違った歌い方をすることが勉強になったりもしたんです。今回のアルバムは、ライヴで歌うことで自然に変化してきた曲もあれば久し振りに再会した曲もあって、懐かしさと新鮮さがありました。同じカヴァーでも、それぞれ向き合い方は微妙に違うんですよね」

 

  • 【NEW BEST ALBUM】
  • 『私の音楽 2007-2016 』
    2017年8月23日発売

 

新しい歌い方を試しながら、自分の過去=原点に向きあったカヴァー・シリーズは、シンガーとしてのひとつの節目ともいえるかもしれない。思えば、女優デビューと同時に歌手デビューもして、今年で35周年。彼女にとって歌は、自分を表現するうえで欠かせないものになった。
 「デビューした時は無我夢中で歌っていましたが、20代後半くらいから〈やりたい音楽〉を自分から探すようになりました。それがファンに届いたと思ったのが、スウェーデンでレコーディングしたアルバム(『I could be free』)を出した時です。このアルバムを大勢の人に聴いてもらえたことが自信に繋がって、女優としての仕事にも良い影響を与えてくれました。自分のペースで、自分からやりたいことを発信できる歌は、お芝居よりも自分の素に近い表現といえるかもしれませんね」

 

  • 【2017 ALBUM】
  • 『 音楽と私 』

 

『音楽と私』には『I could be free』に収録されたヒット曲「ロマンス」のほか、「時をかける少女」「地下鉄のザジ」「空と糸 -talking on air-」「くちなしの丘」など、彼女のシンガーとしてのキャリアを彩る名曲の数々を収録。近年の音楽面でのパートナー、伊藤ゴローのアレンジが施されて、原曲のエッセンスを大切にしながら装いも新たなサウンドで甦っている。そして、なんといっても魅力的なのが、ナチュラルでニュアンス豊かな歌声だ。彼女は自分の声について「ふわっとしていて、空気が多い気がします。大勢の人がいたら私の声なんて埋もれてしまうんじゃないかと思ったりするんですけど(笑)」と微笑むが、だからこそ、静かに耳を傾けたくなる。また、「くちなしの丘」ではギターの弾き語りに挑戦するなど、彼女の新たな一面を垣間見せてくれているのも嬉しいところ。アルバム・タイトルにちなんで現在の音楽に対する向き合い方について訊ねると、彼女はこんな風に語ってくれた。
「今は歌うことが本当に楽しいんです。最近、大きな場所でも小さな場所でも、同じように楽しんで歌うことができるようになってきて。子供の頃、好きな歌を歌っていた時の伸びやかな気持ちを、これからも大切にしていきたいと思います」
 彼女自身がそうであるように、聴く側も肩の力を抜いて本来の自分に戻れる。そんな不思議な力を持った原田知世の歌声が、音楽が持つ魔法を教えてくれるはずだ。

 

  • 【2016 ALBUM】
  • 『 恋愛小説 2 ~若葉のころ 』

 

  • 【2015 ALBUM】
  • 『 恋愛小説 』

 


 

CLUÉL vol.28掲載

  • interview & text:Murao Yasuo
  • photograph:Ishida Shohei
  • styling:Suzuki Eriko
  • hair&make-up:Kobayashi Takeharu