THE NEW STANDARD

新たなスタンダードを探る vol.04

定番品をスタンダードとするのならば、老舗の歴史ある普遍的なもの、誰でもが定番と思えるものに限る。そう捉えるのが通常の思考の流れだと言える。でも少し視点を変えるだけで、新たな価値のあるものに気が付くことになる。ファッションは刹那的だと思いがちだが、今もなおスタンダードが生まれているに違いない。

 


《サンスペル》の作るポロシャツ

 英国は、変わらぬ信念を守り、しっかりともの作りを続ける老舗の宝庫といっても過言ではない。自社で工場を構え、端々に至るまで責任を持ってもの作りをすることにかけては大きな信頼を寄せていい。

 《サンスペル》はその英国のレース産地ノッティンガムのニューゲイトで繊維工場をオープンしたのが始まりだという、創立1860年とすでに創業150年を超えるまさしく誰も口を挟む余地がないであろう老舗中の老舗だ。創始者のトーマス=アーサー・ヒルは父の事業を継ぐ形で靴下やタイツの製造業に就き、繊維工場をオープンさせた。スタートはアンダーウェアの製造。そのバックグラウンドや知識を大きな武器に、彼の実業家としての才能と素材に対する審美眼は「シンプルな日常着を美しい素材で作る」というビジョンを見出した。そして《サンスペル》はそのビジョンを今でもブランドと信念として掲げている。初期に生産された製品の中にはチュニックやアンダーシャツに加え、世界で最初の「Tシャツ」も生まれたと言う。今や誰もがその恩恵を受けファッションからは切っても切れぬほどの重要な衣服の1つはここで生まれたのだ!

 さて、そんな確かな老舗《サンスペル》の中で、私たちが注目したのは「ポロシャツ」。現在ブランドは、素材にこだわった上質な日常着としての信念を守り抜きながら、アンダーウェアの枠を超え、様々な製品を生み出しており、その中にポロシャツも含まれる。

    贅沢にポロシャツを2枚着用! インに来ているのはウィメンズサイズ。ネイビーカラーはメンズサイズ。

    ポロシャツ(※メンズ)¥14000、中に着たノースリーブポロシャツ¥12000/ともにSUNSPEL

 《サンスペル》のポロシャツを見てみよう。ブランドのポロシャツの製造は1950年代に遡る。創始者の孫ピーター・ヒルが当時ポロシャツに使われていたピケ素材に満足ができず、地中海の暑い気候でも涼しく 快適な素材を作り出そうと、ノッティンガムの伝統的なレース産業の知識と編み機を使って、ソフトで軽く、通気のよい素材を生み出したのが始まりだという。

 今回、紹介しているのはその製法を受け継いだワープ・ニットというレース編みの技術を用いたブランドの定番素材で作る「リヴィエラ ポロシャツ」。「007-カジノロワイヤル-」の劇中でダニエル・クレイグが着用するために生み出されたという。デザインは限りなくそぎ落とし洗練を加え、動きに合わせて計算された美しいシルエットも、その素晴らしく上品な佇まいはいわゆるポロシャツからは一線を画した大人に似合うポロシャツの代名詞と言ってもいいだろう。

    知性的な佇まいに最も似合うネイビーカラー、こちらは上記でモデルが着用しているもの。

    ポロシャツ(※メンズ)¥14000/SUNSPEL

 編みの特性上細かなメッシュ生地となり、通気性や伸縮性を与えながら、その素材の清涼感は格別。紳士のために生まれたポロシャツだが、もちろん私たち女性からの支持も厚い。ブランドの作るポロシャツはその確かな品質や細やかなディテールに女性の柔らかな体つきにも、繊細な肌にも驚くほど優しくぴったりと寄り添ってくれる満足のいく確かな逸品だ。
 ファッションは外見のみならず、下着(隅々)にまで気を配ることが大切(内面から美しくなること)と言う話を聞いたことがある。ブランドのスタートを顧みるに、やはりその言葉はおそらく正しいことなのだろう。

OTHER
POLO SHIRTS
LINE-UP

    女性に似合うように美しいカッティングが加えられた1枚。新型のウィメンズはノースリーブでの展開となる。

    ノースリーブポロシャツ¥12000/SUNSPEL

    今回紹介したリヴィエラ・ポロシャツのみならず、幾つかの素材で展開される《サンスペル》のポロシャツ。

    ポロシャツ(※メンズ)¥14000/SUNSPEL

    軽やかで清涼感たっぷりのこちらのポロシャツ。半袖は全てメンズでの展開、サイズはM/L。

    ポロシャツ¥14000/SUNSPEL

お問い合わせ先:サンスペル 表参道 03-3406-7377

 


  • photograph:Kojima Yohei
  • styling: Kiyomiya Mio
  • hair&make-up:Suga Takuma
  • model:Rebeka A.

CLUÉL vol.26掲載
※制作時の情報につき、現在は変更になっている可能性がございます。