THE NEW STANDARD

新たなスタンダードを探る vol.03

定番品をスタンダードとするのならば、老舗の歴史ある普遍的なもの、誰でもが定番と思えるものに限る。そう捉えるのが通常の思考の流れだと言える。でも少し視点を変えるだけで、新たな価値のあるものに気が付くことになる。ファッションは刹那的だと思いがちだが、今もなおスタンダードが生まれているに違いない。


《ハイク》の作るスウェットトップス

2009 年吉原秀明と大出由紀子の手がけていた、前身ブランドである《グリーン》が人気絶頂の中、活動休止を発表した時、私たちは酷く驚き、同時に深く落胆した。その後《グリーン》ロスを経て2013 年に待望の復活を遂げた時、ブランドは《ハイク》という新たブランドとして鮮やかに生まれ変わり、再度私たちを驚かせた。前身のブランドから培ってきた確固たるもの作りのストイックなまでの研究や追求から生まれるデザインの根本は守られながら、そこに更に洗練され上質で研ぎ澄まされた世界観は新たに私たちを強く魅了した。
《ハイク》の創り出す多くのアイテムはシンプルでいてそれだけではない。派手な装飾や、奇をてらったデザインではないが、どこからとなく感じさせるのはエレガンスやモード。だからこそ多くの熱烈なファンを生み出している。その数あるアイテムの中でもカジュアルな印象を強く持つスウェットに目が留まった。トレーニングウェアとして伸縮性、吸汗性に防寒性も兼ね備え生まれたスウェットは、綿100%が主流だった。(そこに速乾性を加えるためにポリエステルやポリウレタンを加えたものも現在はある。)

    《ハイク》のスウェットはコットンが裏側に、ナイロンが表側になるよう織られておりしっかりとした素材感と光沢が生まれている。スウェットトップス¥23000/HYKE(ボウルズ)

そこで《ハイク》の作り出すスウェットは手にとってみればわかるが、通常のスウェットとは一線を画したものだときっと気がつくと思う。カジュアルウェアという大前提はもちろん守りつつ、素材へのこだわりとシルエットの美しさ、リブや襟ぐりのバランスに至るまで、洗練されたスウェットとは?といったことを私たちに投げかけてくるようだ。身につければ更にそれを強く感じさせてくれることであろう。
昨今では、スポーツミックスがビッグトレンドとしても上がりメゾンからも当たり前に登場し、さらにヒット素材であるボンディングされた新たな生地も増えスウェットも多様な表現が増えてきた。だからこそ今更これが定番?と思う人がいたのだとしたら、ちょっと待ってほしい。実はこの素晴らしいモードなスウェットはブランド発足の2 013 年には既に登場しているのだ。その後多くのブランドから登場したのは言うまでもなく、その先見の銘も含め、大人が着ることに全く抵抗のないモードなスウェットとしての存在を確立したのだから、新たなスタンダードといえるのはきっと《ハイク》において他ならないだろう。毎シーズン変化している《ハイク》のスウェット、気なったのなら逃さないでほしいと思う。本当にいつも感じさせられるのはスタンダードでありながら、ありそうでないものをしっかりと作り、繋げていくということは簡単そうで非常に困難だということだ。

SWEAT
TOP
LINE-UP

    こってりとしたニュアンスのホワイトを採用した1枚。ホワイトカラーはスウェットの中でもより繊細で女性的な印象に。スウェットトップス¥2 3 0 0 0/ H Y K E(ボウルズ)

    かなり濃色のネイビーカラーがカジュアルさをぐっと抑えた1枚。ささやかな切り替えが入るだけでぐっとシャープさが増し、ユニークな表情を生み出す。スウェットトップス¥23000 / HYKE(ボウルズ)

    シルエットも秀逸だが、色使いがまた絶妙。特にベージュは濃淡が出やすく、特徴的な素材感がより際立っている。スウェットトップス¥23000 / HYKE(ボウルズ)

    バイカラーになった更にモードな1枚。よりブランドの世界観が色濃く出ており、人と差をつけたいのならこちらをチョイスしたい。スウェットトップス¥2 4 0 0 0/ HYKE(ボウルズ)

お問い合わせ先:ボウルズ 03-3719-1239


CLUÉL vol.25掲載

    ※制作時の情報につき、現在は変更になっている可能性がございます。